漸う気持ちの整理がついて、幾分か諦めも抱けて、このまま穏やかに暮らせたらと思うけれど、タイミングというものは悪い様につくられているみたいで、恐らく近々わたしは再び揺れることになるのだろう。
あの映画のあの美しい女の様に、「愛しているふりだけはしないで」という手紙だけ残して身を投じることができたら、幸せの絶頂期においてそれを持ち去ることができたら、わたしは永遠に悲しい思いをせずに済むし、もしかしたらあの人は永遠に余韻に浸り続けてくれるかもしれない。
午前八時か九時まで遊んで、ファミコンやって、ディスコに行って、知らない男の子とレンタルのビデオ観たいだけのこの思いを、一体誰が汲み取ってくれるというのか。


恋をせずに生きたい。