2010-01-01から1年間の記事一覧

失われる感受性。 どんなにいい音楽を聴いても、どんなにいい映画を観ても、どんなにいい本を読んでも、 わたしはもうどこへも行けない。 窮屈な世界での限界なんて、たかが知れてる。 北から、寒さがさびしさを連れてやってくる。 わたしの思う「幸せ」と世…

ギターと歌声だけの音楽をひたすら聴いていた。 雨の夜だった。 わたしという人間はいつだって大事なものをすぐに失くす。 目に見えるものも、見えないものも。 神さまはいつだってわたしにはいじわるだ。 理由もなく誰も彼もに優しくしたくなる瞬間があるよ…

たぶんやっぱり他人を深く愛せないんだと知った春の終わりに、意味のないめくばせに救われた。 「それはまだきみがそういう人に出会ってないだけ」は、なんの気休めにもならない、ただその瞬間に一緒にいてほしいだけだよ、ただその瞬間に頭を撫ぜてほしいだ…

くだらないことをこぼすわたしに掛けられた言葉はあまりにも優しくて、涙が出るほどいとしく思った。 冬のはじまりの寒い夜、海のそばの小さな建物で初めて会ったわたしたちは、今では手をつないで街を歩いている。 そういえば、あの日もわたしはお気に入り…

「夢見ないことを 夢に見る。睡りの時間に 目覚め のしかかる沈黙の間に 睡る。夏の約束を 守る それを破ることによって。」