2008-09-25 ■ 高校生のときに学校のバザーでたしか三百円とかそれくらいの値段で買って、以来ほとんど毎日身につけていた指輪を失した。 六歳から十八歳までずっとあの厳格な学校に通って十二年間キリスト教の教えを受け続けたわたしは、きちんとした洗礼は受けていないけれど大分キリスト教に傾倒した人間なのだろうと思う。 だからこそ聖人達の描かれたあの指輪は、ささやかでも小さくてもわたしにとっては絶対的なお守りのようなものだった。 今頃、霧の街の真っ暗な家のどこか片隅に転がっているのだろうか。 わたしはただ、純粋に悲しい。