傘が嫌い。
激しく降っているときはそりゃ必要だし、傘を打つ雨音を聞きながらトトロの真似をしたりするのはたのしいけれど、多少の雨ならパーカーのフードや帽子や巻いていたストールをかぶったりすることで免れるし、濡れながら歩くのも悪くない。
なにより、せっかく買ったお気に入りの傘をも、晴れ間が差せば失してしまう自分に腹が立つんだなあ。
というわけで、また一本傘を失したわたしがパーカーのフードを被って雨に打たれながら帰る夜は、九月も最後の日のことでありました。