うだるように暑い部屋の中でこころから愛しいと思えるおんなのことふたりで、噛みつきあって、じゃれあって、逃げて、追って、青白い滑らかな肌に赤い傷痕を残して。
お互いの汗が潤滑油になって触れ合った肌をぬらりと滑らせるけど、フローリングにごつごつと骨が当たって痛い。
きっちりと大きなベッドを覆っていた白いシーツは、もうぐしゃぐしゃに乱されている。わたしたちが乱した。おばけのまねをして。
きみの額に汗で張り付いた前髪をかきあげてあげる。
濡れた首筋も。息の漏れる唇も。鋭さをもった指先も。
クーラーからひんやりとした冷風が流れてきて、火照ったからだを包み込む。
仰向けになって乱れた息を整えようとしているのに、またきみが覆いかぶさってくるから、くすぐったいような遊戯はいつまでも終わらない。


こんなに簡単に思い描けるというのに。
少女らしさを失わずに、獣らしさを失わずに、閉ざされた世界の中でかわいいだれかとずっと遊んでたいというのに。