だって、もうぐちぐち言いたくないんだ。
奪われてゆく、だとか、そういうふうに思われたくないんだ。
だからひた隠しにするんじゃない。
そうして、冷静さだけを、きらびやかに身に纏って、接したんじゃない。
それの、なにが、気に食わないと言うの。


悪い妄想はどこまでも広がるよ。
火曜日はわたしがいないから展示にさそったんでしょう。
わたしのことめんどうくさい女だと影でせせら笑っているんでしょう。
信頼しろだなんて、到底むりな話よ。
ばかにしないで。そこまで単純でもないの。


お互いの過去のいたずらが故に信じられなくて、疑ってばっかりで、こんなの、しあわせなんてはずがない。