とある写真を見ていたら、いろんな事を思い出した。
馬鹿にするなよって、小さく呟いたけど、あの人達は私が今そう思っていることなんて、これっぽっちも知らない。
知る由もない。
認識は行為に移さない限り世界を変えられなくて、だけどだからこそ認識は貴くて、ならば低俗な事物に認識を穢されないためにもこのまま全てぐっと飲み下した方がいいのかもしれない。


忘れたくないことばかり、忘れてしまうよ。
あの時あの場所で聞いた言葉を、もうおぼろげにしか思い出せないのは、何故。
沈みかけていた太陽に、迫り来る雨雲に、吹き荒れる風に、飲み込まれてしまったのかしらん。
こんな夜には、それを支えに眠りたいのに。