わたしもあのひともいつかはあの男の子のことなんか忘れるんだろう。
だったら、あんなに楽しかった、あのおんなのひとと一緒に過ごした日々のほうを大事にするべきだと思い立って、次の駅まで息を止め続けられたら大丈夫だというまたいつもの無意味なジンクスを独り私鉄の中でつくりあげ試みてみたのだけど、ものの二分足らずで酸素を求めてしまって、ああ敗北。
得体の知れない何者かに屈したわたしは、線路沿いの小さな黄色い花を見下ろしながら途方に暮れます。