ベランダでベイリーズミルクと駱駝をのみながらあのこのことを思い出す。
別れる前の最後のしあわせだった時間は、井の頭公園のあの橋の上で夜の公園の光を数えていたときで、あの時間は何故かわたしの記憶に深く深く刻まれている。
並んで立って、橋の手すりに置いた手が少しだけ触れているだけだったのに。
もうすぐ付き合ってから2年を迎える頃だった。


「あずちゃん、3年後も4年後も5年後も、ずっと一緒にいようね」


あれからもう3ヵ月も経つのに、わたしはまだまっすぐに思い出してしまう。
思い出してしまうよ。